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5つの異なる腫瘍抗原を標的にしたT細胞療法!?

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      okazaki yoshihisa
      キーマスター

      (追記)

      多発性骨髄腫に対して、5つの異なる腫瘍抗原

      PRAME,

      SSX2,

      MAGEA4,

      NY-ESO-1,

      Survivin

      を同時に標的にするT細胞治療の試みです。

      mTAA-T細胞療法と名付けています。

       

      ●細胞投与前に寛解期にありアジュバント治療として行ったA群:

      もともと寛解期のため、押しなべて治療効果は良好です。

      しかし、腫瘍抗原による生体内刺激が弱いためか、T細胞レパトアのexpansionは弱い傾向にあります。

       

      ●細胞投与前に病勢が活動期にあり、主治療の一貫としてmTAA-T細胞療法を行ったB群:

      もともと活動期のため、A群程、治療効果は良好ではないですが、SD,PRに至った症例も存在します。

      また、患者#4,#3を詳細解析を比較すると、

      ○投与前腫瘍の5つの腫瘍特異抗原発現パターンは違っている可能性がある。

      ○それに合わせて、生体内でTCRレパトアパターンも、2人間、時系列で違っているようだ。

      ○#4患者では、“治療選択圧による腫瘍細胞の進化”を思わせる、腫瘍抗原消失減少も確認された。

      ○#3患者では、生体内のTCRレパトアexpansionは保持されているが、抗腫瘍免疫分子、T細胞増殖・活性化分子の

      発現パターンの変動により、mTAA-T細胞の“殺腫瘍効果”が減弱した可能がある。

       

      つまり、悪性疾患の免疫細胞療法は、

      1:単一or2つ程度の“分子標的”的治療だけではうまくいかない可能性

      2:治療効果を決めるパラメーターは、患者腫瘍、患者免疫系、mTAA-T細胞の3つに絞って

      みたときも、極めて多数(腫瘍特異抗原の有無、mTAA-T細胞の状態決定分子、初期の患者病勢etc)ありそうだ。

      3:時空間内で時々刻々変化する“極めて多数のパラメーター”を最適値に制御する技術が必要だが、

      そのような技術をヒトは発明できるのか???

       

      といった疑問とも向き合う必要があるのかもしれないと最近痛感しています。?

       

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